大判例

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最高裁判所大法廷 昭和22(れ)138 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人A弁護人藤井稔、同小林右太郎上告趣意について。

しかし憲法第三七条第一項にいわゆる「公平な裁判所の裁判」とは、偏頗や不公

平のおそれのない組織と構成をもつた裁判所による裁判を意味するものであつて、

個々の事件につきその内容実質が具体的に公正妥当なる裁判を指すのではない。従

つて所論のように同規定を以て刑の言渡が苛酷で妥当を欠く場合には刑訴応急措置

法第一三条第二項の規定如何にかかわらず憲法上これを上告理由とすることができ

るとした趣旨の規定であると解することはできない。それ故被告人を懲役一年に処

し刑の執行猶予を与えなかつた原判決を目して刑の言渡が情状に比し余りに苛酷で

あつて前記憲法規定に違反すると主張する本論旨は当らない。結局本論旨は上告適

法の理由とならない。

被告人B弁護人岩島肇の上告趣意について。

所論は、要するに、原裁判所の自由裁量に属する刑の量定を非難するものである

から刑訴応急措置法第一三条第二項の規定により適法な上告の理由とならない。

被告人Cの上告趣意について。

しかし刑の執行猶予を与えるか否かは事実裁判所である原裁判所が諸般の情状を

考慮して自由に決定すべきところであるから所論は上告適法の理由とならない。

被告人Dの上告趣意について。

しかし論旨は原判決の認定した被告人の贓物故買並びに物価統制令違反の犯罪中

贓物故買の犯意を否認しその点の誤認を主張するものであるから刑訴応急措置法第

一三条第二項の規定により適法な上告の理由とならない。

よつて刑訴第四四六条に従ひ主文のとおり判決する。

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この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 松岡佐一関与

昭和二三年六月九日

最高裁判所大法廷

裁判長裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 井 上 登

裁判官 栗 山 茂

裁判官 真 野 毅

裁判官 庄 野 理 一

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 島 保

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 河 村 又 介

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